初恋は幼馴染(青Ver.) (ページ27)

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［渡辺 side］

朝起きて、涼太と落ち合って稽古場に行く。

渡辺「昨日はすみませんでした！」

稽古場に入ると俺は滝沢くんのもとへ行き頭を下げた。
涼太も着いてきてくれて、一緒に頭を下げてくれている。

滝沢「咲良さんのこと、聞いたよ」

「「え？」」

知り合いに話を聞いたという滝沢くん。教えてくれた内容は俺達も知らないことだらけだった。

滝沢「彼女が所属してたところ、かなりヤバいところだったみたいだね。元々は多くのスタント俳優が所属していたけど、報酬の話で揉めて次々と辞めていって、まともに活動出来るのは彼女くらいだったらしい。資金もギリギリで、彼女のおかげで成り立ってる感じだったみたいだし、なんとか回すためにかなり無茶させてたみたい。大人でもキツイやつとかやってたみたいだよ」

"高校生になったら大人と同じ扱い"そう痣をつくったAが言ってたのを思い出す。

滝沢「昨日、翔太が言ってた事故もウチの俳優ならできるとか言ってかなりの報酬を約束させてたらしいし。まぁ、事故が起こって制作は中止、報酬もなし。週刊誌が事故のことかぎつけて調べてるみたいだから社会的制裁も受けるだろうし潰れるのは時間の問題かな」

渡辺「俺、何も知らなかったです…」

仕事がないときは常に一緒だったのに…

滝沢「まぁ、彼女の話を聞く限り、言わないだろうね」

そういう性格の子でしょ？と言われ頷く。

滝沢「実際に会ったことがないからわかんないけど、もし彼女が今のお前を見たらどんな反応すると思う？」

渡辺「…多分…ブチギレられます」

滝沢「だよね。なら彼女はどうすることを望むと思う？」

渡辺「…俺、最後までやりきります。」

滝沢「うん。頼んだよ」

俺にできることがあれば頼ってと言う滝沢くんにお礼を言い、俺たちはその場を離れた。

渡辺「昨日は迷惑かけてごめん」

一緒にパフォーマンスをする仲間のところへ行き頭を下げる。

深澤「大変だったな」

幼馴染のこと聞いたよと皆励ましてくれた。

その日から俺は稽古に集中。辛いときも弱音を吐かずに前を向いた。