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洗濯が終わるまであと6分。
「どっこいしょー」ってオジサンみたいに康二くんが私の隣に座ったから、丁度いいやって「ねぇねぇ」って身を寄せた。



「これとこれ、どっちが好き?」



スクリーンショットを撮ったお気に入りのブランドの洋服。どちらも可愛くて自分では決めきれないからその画面を康二くんに見せた。



向「…Aちゃんって、悪いよなあ」

「へ?」

向「…んーん?
せやなあ。俺やったら1枚目着てきてくれたらかわええなって思うけど、Aちゃんは2枚目が似合うんちゃう?」



おんなじ形の色違い。
1枚目が淡いオレンジで、2枚目が桜色。
お洒落さんな康二くんが言うんだから間違いないだろうと2枚目をカートに追加した。



「ふふ 人助けありがとー」

向「いーえ。…そや。Aちゃん、ラウールとなんか仲良なってたよな?」

「うーん…仲良くなったって言っちゃっていいのかなあ」



お昼を一緒に食べた後、2人で何をするでもなく各々が寛いでいた。同じリビングで。
14時頃カフェから帰って来た康二くんはそれを見て一瞬固まって、状況を理解しようとするようにパチパチと瞬きを繰り返していたのだ。



向「昼ご飯一緒に食べたんやろ?」

「うん
丁度ご飯の時間だったからね」

向「Aさんが作ってくれたー!って嬉しそうに俺に報告して来たで?」

「そうなの?」



オムライスを前にした時のあの無邪気な笑顔を思い浮かべて、クスッとなる。
あんなに喜んでくれるならみんな作り甲斐があるよね。



向「またさっくんが拗ねんでー?」

「えー?」



やれやれって少し面倒くさそうに肩をすくめた康二くん。
そういえば、なんだかんだでまださっくんには何も食べて貰ってないや。



向「初対面でラウが心開くって…Aちゃん、何者?」

「私はなにも…従姉妹のお姉ちゃんに似てるんだって」



そう言うと、康二くんは分かりやすくキョトンとする。



向「ラウールに従姉妹なんておったっけ?」

「え?」

向「いや…まあなんにせよAちゃんは天然人たらしってことやなあ」

「自覚ないよー」

向「めめも舘もしょっぴーもなかなか気難しいねんで?」



人懐っこくて、シェアハウスのみんなとも満遍なく仲良しな…というか、ご近所さんとかスーパーの店員さんとか、誰とでも打ち解けられちゃう康二くんが言ってくれるってことは自惚れても良いのかな。

洗濯はとっくに終わっていたけど…
居心地が良くて暫くそこから動けなかった。

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作者名:あむ | 作成日時:2024年4月5日 23時

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