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ページ14

阿部side。


.


お昼休み。
職員室でコーヒーを淹れて自分の席に着いたタイミングで、机の上に置いていた携帯が光った。



「母さんだ」



珍しい、と言う程 連絡が来ないわけではないが、そうしょっちゅう来るわけでもない母親からのメッセージ。
内容は数日前、たまたま実家に用があって帰った時に話した「新入り」つまりAちゃんのこと。

なんで母親と彼女が繋がっているのかと思えば、以前から度々聞かされていた「可愛い後輩」というのがAちゃんだったらしい。

打つのが面倒になったのか、電話が掛かって来て。
相変わらずマイペースな人だなと思いながらも携帯を耳にあてた。



みどり『もしもし?今大丈夫?』

「大丈夫じゃなかったら出てないよ」

みどり『そうよね〜
ところでA先生がシェアハウスに住むことになったって聞いてびっくりしたわよ』



あんたが佐久間先生と同じところって聞いた時もびっくりしたけど、と続ける母さん。



「俺もびっくり。
でもそうだよね、佐久間と同じ職場ってことはAちゃんとも同じ職場ってことになるもんね。」



なんとなく別物として考えちゃってたけど。
でもまさか母親と同じクラスを担任しているとは思ってもみなかった。めっちゃ近い間柄じゃん。



みどり『あの子も色々あったみたいだから…優しくしてあげてね?』



その言い回しを聞いて、ふと思い出す。



「母さんが娘みたいに思っちゃうって言ってたのがAちゃん?」

みどり『そうそう
うちは男しか居ないからさぁ…あんな可愛らしい子が苦労してんの見てるとついお節介焼きたくなっちゃうのよ』



「色々あった」とか「苦労してる」とか、さっきから引っ掛かることはあるけど、ここで俺が詮索するものでもないと思うし。
「そっか」って聞き流しておいた。
…消えちゃいそうって思ったのと、関係あるのかな。



みどり『でも佐久間先生も一緒なら安心か!』

「え?」

みどり『あの子と居る時のA先生が一番自然体でよく笑うのよ』



電話口でも分かる母親の嬉しそうな、安心しているような声に思わず口角が上がる。



「佐久間に任せとけば大丈夫だよ」

みどり『そこは俺に任せてよじゃないの?』



勝率の無い賭けはしない主義ですから。

翔太が樹の背中を押すなら俺は佐久間の肩を持とうかな。
本人は気付いてないみたいだけどね。自分の気持ち。



「楽しくなりそうだよ」

みどり『それは良かった』

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作者名:あむ | 作成日時:2024年4月5日 23時

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